OpenLM エンジニアリングアップデート:AWS S3 Tables(Iceberg)への移行

OpenLMでは、データの処理性能とスケーラビリティを向上させるために、
既存のデータ基盤を見直し、AWS S3 TablesとApache Icebergへの移行を行いました。

この移行により、以下の課題を解決することを目的としています:

  • データ処理のパフォーマンス向上
  • 大規模データへの対応
  • 運用負荷の削減

なぜ移行が必要だったのか

従来のデータレイク構成では、以下のような問題がありました:

  • クエリのパフォーマンスが遅い
  • データ管理が複雑(ファイルやパーティション)
  • 一貫性や信頼性に課題

特に大規模データ環境では、こうした問題が顕著になります。

 こうした課題を解決するために、Apache Icebergが注目されています。
Icebergは以下の特徴を持っています:

  • ACIDトランザクション対応
  • スキーマ変更(Schema Evolution)が簡単
  • 過去データの参照(Time Travel)AWS S3 Tablesとは何か

AWS S3 Tablesは、Apache Icebergをネイティブにサポートするストレージです。

主な特徴:

  • Icebergのメタデータ管理をAWSが自動で実施
  • クエリ性能の向上(最大約3倍)
  • トランザクション処理の高速化
  • 運用作業(ファイル整理など)の自動化

 従来は手動で行っていた運用作業を、AWSが自動化してくれます。

Iceberg移行の基本考え方

Icebergへの移行には主に2つの方法があります:

1. インプレース移行(In-place Migration)

  • 既存データをそのまま使う
  • メタデータのみIceberg形式に変換
  • 高速・低コスト

2. フル移行(Full Migration)

  • データをすべて再構築
  • 最適化(パーティション・構造)も可能
  • 時間とコストがかかる

 S3 Tablesの場合は、フル移行が必要になるケースもある

 
実際の移行で直面した課題

 

移行プロジェクトでは、いくつかの課題がありました:

  • データ整合性の維持
  • 移行中のシステム停止リスク
  • 既存システムとの互換性
  • データの同期(新旧環境)

特に重要なのは:

 「移行中もサービスを止めないこと」

そのため、段階的な移行戦略が必要になります。

移行プロセス

移行は段階的に進められました:

  1. 既存データの分析
  2. Icebergテーブルの設計
  3. データ移行(テスト環境)
  4. 本番環境への切り替え
  5. 最適化・チューニング

 ポイントは「いきなり切り替えない」こと
→ テストと並行運用が重要

移行後のメリット

移行後、以下の効果が得られました:

パフォーマンス

  • クエリ速度の向上

運用

  • 手動作業の削減
  • 管理がシンプルに

データ管理

  • スキーマ変更が簡単
  • 過去データの追跡が可能

結果として、よりモダンなデータ基盤へ進化

まとめ

今回の移行から得られる重要なポイント:

  • 従来のデータレイクには限界がある
  • Icebergは次世代の標準になりつつある
  • AWS S3 Tablesにより運用が大幅に簡素化される

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