
Dassault Systèmes License Server(DSLS)は、CATIA、SOLIDWORKS、SIMULIA などの高額エンジニアリングソフトウェアを管理するための重要な仕組みです。
大規模な開発・設計チームを持つ企業にとって、ライセンス管理は「コスト最適化」と「生産性アップ」に直結します。
DSLSは強力な仕組みですが、標準の管理ツールだけでは十分な情報が得られないことが多く、ライセンスの無駄や過剰購入につながるケースもあります。
目次
- DSLS標準ツールに隠れた問題点
- DSLSライセンスを可視化するための指標
- 機能別・ユーザー別の利用拒否(ディナイ)
- アイデル時間の把握
- ヒートマップで利用パターンを可視化
- ライセンス最適化の方法
- 自動ライセンス回収(ハーベスティング)
- チーム別・プロジェクト別のライセンス管理
- DSLSを最大限に活かすために
このガイドでは、DSLSの重要な監視指標と、ライセンスを最適化するための実用的な方法を分かりやすく紹介します。
DSLS標準ツールに隠れた問題点
多くの企業は、DSLSに付属している標準ツールだけでライセンスを管理しています。
しかし、標準ツールでは次のような情報が不足しがちです。
- 拒否(ディナイ)情報が不十分
どの機能が不足しているのか、どのユーザーが影響を受けたのかが分からないことが多い。 - アイドル状態が見えない
アプリを開いたまま放置している「幽霊利用」が多く発生し、ライセンスがムダになる。 - 長期的な履歴が見えない
契約更新や来年度の必要数を判断するための「数ヶ月〜数年の傾向」が追えない。 - 他のライセンス管理サーバー(FlexLMなど)と一元管理できない
より正確で効率的な管理を行うには、DSLS APIと連携して詳細データを取得できる仕組みが必要になります。
DSLSライセンス監視:重要な指標
- 機能別・ユーザー別のディナイ(利用拒否)
ライセンス拒否は、設計者やエンジニアの「作業が止まる」直接的な原因です。
- どの機能が不足したのか
- どのチーム・どのユーザーが影響を受けたのか
- 利用ピークと拒否の関係
これらを把握することで、真の問題が「ライセンス数不足」なのか「アイドル放置が多いだけ」なのかを判断できます。
- アイデル時間の把握
「借りられているライセンス」と「実際に使われているライセンス」は違います。
- 15分などのアイドル基準を設定
- どのくらいの時間がムダになっているのかを数値化
- 月間の「アイドル時間=損失コスト」をレポート化
これにより、どれだけのコストが無駄になっているかが明確になります。
- ヒートマップで利用パターンを可視化
ヒートマップは、以下を一目で把握できます。
- 曜日ごとの利用傾向
- 時間帯(何時にピークが来るか)
- 空いている時間帯
これにより、シフト調整や、低負荷時間帯での自動回収などのルール作成に役立ちます。
最適化の方法:無駄なライセンスを取り戻す
- 自動ライセンス回収機能(ハーベスティング)
DSLS自体にはアイドル自動返却の仕組みがほとんどありません。
そのため、自動回収は最も効果的な改善策です。
- アイデル検知 → ユーザーに警告 → 応答なしならライセンス返却
- 業務終了時の自動リリース
- 高額モジュール(CATIAアドオンなど)に対して厳しめのルールを設定
これにより、早朝の利用者や海外チームにもライセンスを確実に提供できます。
- チーム別・プロジェクト別のライセンス管理
DSLSの標準機能だけでは管理が複雑ですが、中央管理ツールを使うと簡単になります。
- 予約枠
重要プロジェクト用に一定数を確保 - 利用制限
1つの部署がライセンスを使いすぎるのを防止 - 部門別コスト配分(チャージバック)
利用した部門にコストを割り当てることで無駄遣いを防止
DSLSを最大限に活かすために
DSLSのライセンス管理を「反応的」なものから「データに基づいた最適化」に変えることで、大きなコスト削減と生産性向上が実現できます。
OpenLMは、DSLSを含む140以上のライセンスサーバーに対応し、
- 詳細な利用分析
- ヒートマップ
- ディナイ分析
- 自動ハーベスティング
- 複数サーバーの一元管理
を提供できるプラットフォームです。
DSLSライセンス管理を最適化したい方は、ぜひOpenLMのデモをご検討ください。
